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8.グアムの街はこうだった

出口付近には20人くらいの人がいて、その中の数人が名前が書いてあるプラカードを持っている。
(私が最後だったと思うけどなあ〜。次の便を待ってるんだろーか?)
そんな風に考えながら先を進む。視線が私に集中する。だって他に誰もいないんだもん。私もいちいちプラカードの名前を確認し、違っているので仕方なく先に進む。一応レオパレスの名札みたいなの付けてるから、向こうから探し出してくれるはずなのだが…。
と、一番外側にグアム人(?)の男女ペアの人がプラカードも持たずに立っていて、私が何となく近付いていくと名前を確認し、無事対面となった。
迎えの人「あなた1人ですか?」
私「え?あ、はい、そうですけど?」
誰が来るのか、把握してないんだろうか?と、ちょっと不安なる。まあともかく、男の人がスーツケースを引いてくれ、駐車場へと向かう。そこにワゴン車があり、私は後部座席に乗り込み、女の人が運転席に付く。男の人とはここでお別れ。
さあ、レオパレスへ。車が走り出す。
車は、左ハンドルの右側通行。
日本の免許を持っていれば、そのまんまでレンタカーを借りられるらしい。

そして、グアムの街は、暗かった。
と言っても、普段の姿を知らない私は別段違和感を感じなかった。想像していたグアムっていうのも、中心街以外は自然が溢れる所だって思ってたし。そうそう、木が結構倒れていたような気がする。台風のせいなんだろうか?要するに、もう2週間近く経っているので、それ程までに無惨な傷跡っつーのは目につかなかった。夜だと言うこともあったが。
暗い割に道が結構広い所や、端に土を被っている(土砂で汚れている?)所などが、何となく中国を思い起こさせた。中国に最初に着いた時も、こんな感じのワゴン車に乗って、広い田舎の道路を走ったなあ…。
運転手の若いお姉さん(日本語は殆どしゃべれない)が「No Power デンキナイヨ レオパレスハデンキアリマス」(暗に、「こんな時に何しに来たの?」とあきれていると見た!)と言う所を見ると、普段はもっと明るいのだろう。
このお姉さんとはお互いに言葉が通じず、単語と誤魔化し笑いと沈黙をくり返す。トホーッ!
何とか、「レオパレスに姉がいて、台風に遭った」くらいは通じた。…たぶん。
で、20分くらいしてレオパレスに到着。
暗い中、ゲートも庭も、それなりに電飾がきらめいていた。
入り口付近ではうろつく犬に会った。最初キツネかと思ってお姉さんに尋ねると、「グアム ニ FOX イナイ」だって。ふぅ〜ん。

9.レオパレスリゾートグアムの静かな夜

フロントに着き、送迎のチケットを渡し、色々受け取り、多少の説明を受ける。
「このような状況ですので、利用できない施設があります。この中にも書いてありますが、まあお姉さんに聞いて貰えれば早いと思います」
なので、読み飛ばす。後から見てみたら
 ※水が使えるのは7時から9時までと18時から20時まで。
 ※レストラン クローズ 必要であれば弁当が用意できる。
 ※市街地へのシャトルバスは1日にそれぞれ2便のみ。場所も1区間の単純往復。
 ※施設内コンビニ10時から17時
 ※ゴルフ場スタート時間8時から9時
 ※プロショップ クローズ

だってさ。ムゥ〜。困るのは水くらいだけど、私がいた4日間は、一度も断水無かったんだけどな〜?たまたまだな。
そして再び今度は別のワゴン車へ乗り込み、姉のいる「E棟」へ。玄関口まで車を突っ込んでくれる。
礼を言って、チップを渡さないといけないと面倒なので、素早く自分のスーツケースを下ろしつつ、運転手さんに「Thankyou!」と言って手を振り、すぐ正面のエレベーターへと向かう。(ケチ!)

がらんとしている。

人気の無い玄関口は、灯りこそ明々と灯っているが、静まり返った中、何か警報のような音が「ブーッ、ブーッ」と繰り返しずっと鳴り続けていて、ちょっとホラー。

↑ライトアップはキレイなんだけれども…。

床にはうっすらと、
泥水が乾いたような紋ができていて、何となく、建設途中の現場に紛れ込んでしまったような気分。いや正に復旧工事の真っ最中だったようだ。
ガラガラとスーツケースを引きながらエレベーターに辿り着き、ボタンを押す。開いたエレベーターは、3方の壁が大きな段ボールで覆われていた。


段ボールに音符が鉛筆で落書きされてたのが印象に残った。(薄かったので○で囲ってなぞってみました。)
日が経つごとにだんだんと上の方が傾いて垂れてきて、邪魔になってきた。押し戻してもまた戻ってきたり。
4Fのボタンを押す。扉が閉まる。中はカビ臭い。水漏れでもあったんだろうか。
すぐに4Fに着く。扉が開く。目の前は吹き抜けで、手すりの向こうの暗闇に、電飾の施された中庭と、大げさなまでに煌々と明るい別の棟が見える。

高所特有の自由な感じの風が、ひゅうと吹き寄せる。

「深夜、高層マンションの自宅へ帰ってきたサラリーマンってーのは、こんな気分なんだろうか…」
ふと、考えてみる。が、決定的に違うのはやはり「人の気配が全く無い」という事だろう。
床は相変わらず泥水が乾いたような跡が薄くできていて、壁や天井はイヤにサッパリしている。所々の壁に、何か電気機器が千切れたのだろうコード類が中途半端に生えている。ふと見えた3階部分の
ペイン風レンジの屋根は、半分以上、剥がれるか壊れるかしている。
ウ〜ン、工事現場!!
リゾート地の華やかさとは程遠い殺伐とした雰囲気。
ガラガラと、静まり返った通路を風に当たりながら進み、姉のいる部屋へと向かい、扉をノックする。

姉はすぐに出てきて、扉を開けてくれた。
アア〜!安心する瞬・間!
薄いクリーム色を基調とした室内に入ると、3歳になった甥が夕飯を食べていたところだった。目が合うと、嬉しいんだか何なんだか、大興奮状態に。土産のキットカットチョロQも喜んでもらえたようだ。(←車マニア)
恐らくこの階には他に誰も宿泊していない(結局帰るまで誰の姿も見なかった。洗濯機を使った形跡があったので、やはり誰かはいたようだが。)ので、元々せわしない甥が大騒ぎしても苦情を言われる心配は無いと見た!その点では気楽かな〜。私も歌とか歌ったりとかした。もし隣に誰かいたら、苦情の電話が鳴ることウケアイ。

早速夕飯を頂き、マッタリしようとしていた私だが、姉の提案で夜のプールへ行くことに!
「夜のプールって泳いだことある?時間も余るしもったいないやん」と。もちろん、夜のプールは初体験な私だが、何か、「こんな非常事態の時に自分らだけ遊んで、いーのかなー?」とか、「夜のプールって何か吸い込まれそうで恐い」のと、あと「寒そう」ってのがあったので、あまり気が進まかったのだが、とりあえず水着を着てプールへと向かう。何事も経験経験。
先程は気が付かなかったが、玄関付近の脇に、瓦礫の山ができていた。うわー。台風の被害を実感。
庭に生えているヤシの木のてっぺんには、当然あるはずの葉っぱが殆ど無く、しかも片側に寄っている。最初からなのか、台風でカツラが飛んだのか…?
よく見れば、木も結構倒れてるぞ。
道の端には、土や葉っぱに紛れて何かの破片が無造作に転がっている。
それらを横目に、少し勢いのある夜風に当たりつつ、プールまで歩く。

しかし、人気が全く無い夜道を歩くのって、結構コワイ。明るいんだけども。

10.南国のプールと地球の自転と引力についての実証実験

到着した夜のプールは、イルミネーションがキラキラと輝いて綺麗だった。

プールの水中もライトアップされてて、当然のように誰もいなくて、貸切状態。ゴージャス。(小さなプールは水が入って無かった。)
「わぁ〜、キレイ〜!」とか言ってると、何とお猫様登場!!
「きゃ〜〜!にゃんにゃん〜vv」などとバカっぽく叫びながら(猫スキーな私)、すかさずカメラを構える。
で、撮れたのがコレ。↓

グアムの猫は目がエメラルドグリーン色でした。
などという冗談はおいといて、誰か夜の猫を上手く撮影する方法を知っていたら教えてください。みんなこんな感じで宇宙猫風に写ってしまい、可愛いような可愛く無いような。
しかし、レオパレスには猫が多い!しかも出現は夜限定!夜行性の本能(?)を忠実に守っていらっしゃるのね。この日だけでも4匹は見た。みんな小柄だった。手を出すと少し寄って来るが、餌が無いと見るとそれ以上は近付こうとしない。チッ!

さて、それではいよいよ進水式。(違)
軽く運動をして最初の一歩を踏み込む。
つめてぇ〜〜〜!!!
やっぱ寒い!しかしここまで来たなら後には引けない!「入ってしまえばきっと慣れるさ」と、自分を励まして、一歩一歩水中の階段を下りて行く。心の中にあったのは、「空手キッズだって寒稽古をするじゃないか!海女さんだって人間だ!大丈夫、死にはしないさ!」だった。(?)
しかしさぶ〜〜〜ぃ!!!
だがやがて根性で肩まで入ってしまえば、温かくまではならなかったが気にならない程度にはなった。こうなると、今度は出たときが恐い。体をいっぱい動かしてあったかくなろうとしたけど、それはどうやら水の中では無理みたいだ。で、温かくもなく寒くもない不思議な状態に。
※温泉に浸かるニホンザルって、入ってる時はすっごく気持ち良さそうな顔をしているけど、出た後はどうするんだろう?バスタオルも無しに毛が濡れたままで雪の中にいて、なんで風邪をひかないんだろう?
まあとにかく、折角なので泳いでみる事に。
すると、平泳ぎ数メートルしかできないはずの私が、
何とスイスイ泳げるではないか!!(というか、ずっと浮き続けられている…)
「なんで〜〜!!?そんなはずは!!」
思わぬ怪奇現象に驚きおののく私。(大げさ)
そんな私に姉が言うには、「たぶん赤道に近い方が体重が軽くなる。そのせいでは?日本の北側と南側でも重力に差があるので、体重計も、それぞれに合わせて3種類あるくらいだし。」だそうな!
えーっ!?ウッソー知らなかったー!!うどんの「どん兵衛」に関東味と関西味がある事なら知ってたけど(関係無し)、まさか体重計に違いがあったとはー!
世界ふしぎ発見!!!
とにかく、何の努力もせずに(この夏も一度も泳ぎに行かずに)いきなり泳ぎが上達したようで、何かすっごく得した気分!
プールの端から端まで泳げたヨー!!イエーイ、南の国ばんざい!!ヽ(´▽`)/←小学生
ん?そうすると、極地で泳ぎの練習をして南国の赤道付近の大会に出れば有利なのか?または赤道付近は素潜り大会には適さないのか?どうなんだろう?
あれ?でも、そもそも質量は変化しないはずだから、水も同様に軽くなってて浮力としては変化しないのでは?いや、でもそれなら体重計も別に種類を作らなくっても良い訳だし…。それに現実に泳ぎやすくなってる訳だし…。
う〜ん、重力が月の6分の1の月では、思い荷物も軽々持てるんだったっけなあ?そーか、体の重さが軽くなった分、小さい労力で大きな仕事ができるようになり、泳ぐ力が増したって事か?重力の重い星から地球に来て超人になったスーパーマンの原理か?
そうなると、赤道に近い程、歩くのも、重い荷物を持つのも楽って事になるけど…。
いやしかし…。でもしかし…。…あ〜、私の鳥頭ではわからんっ!誰か正解を教えてくれっ!


2006.5.15追記…回転する物体には遠心力がかかる。中心からの距離が遠いほど遠心力は大きくなる。というわけで、回転する地球の一番外側に当たる赤道付近は、最も遠心力が強くなる所=体重が軽くなる所らしい。
しかし
 重力加速度 g=980cm/ s・s
 遠心加速度 α=rωω=7,000,000m(2π/24・3600)(2π/24・3600)1/s・s =4cm/ s・s
なので、体重の変化としては0.1〜0.2g程度軽くなるだけらしい。
あ〜、なるほどね〜。私には理解不能なので結局何も解決しないってコトがよく分かったわーv (オイ)
ω←これなんか読み方すらわからんわい。顔文字の部品やろ?(コラ)

11.THE BOOM LIVE IN GUAM & ひたすら夜のさんぽ

さて、しばらく姉と甥と共にバチャバチャ遊び、写真も撮りまくり、ちょっと張り切りすぎて足が痛くなって来た頃、ようやく私達は部屋に戻る事にした。やはり、部屋に戻るまで誰ともすれ違わなかった。猫とは、数回すれ違った。幸せ。
その後風呂に入り、髪を乾かしながらテレビのチャンネルを次々と変えてたら…。
おあーーーっ、THE BOOMだあーーーっ!!
思わず身を乗り出す私。グアムでは日本のチャンネルも映るのだが、たまたまNHKにブームが出演していたのだー!!
奇しくもその時私が寝間着代わりに来ていたのは、この前のコンサートの時に買ったブームのオレンジ色Tシャツ!!

↑こんな感じのヤツ。手染め風?日本ではハデハデ(でも着た)だが、グアムではマッチするかと思った。
そして始まる演奏…。
グアムでにわかブームライブ発動だっ!!
前にも書いたように、恐らくこの階(もしくはこの棟)には、今、他に誰もいない!
なので大声で歌いまくり〜〜♪♪(タコ踊り付き)
「風になりたい」と「島歌」と、タイトル忘れたけど新曲を披露してましたわv 良きかな良きかな〜んv

すっかり満足した後、今度は洗濯をしに別の棟まで夜のお散歩だ!
レオパレスリゾートはマンスリーマンションなので、洗濯は自分でしなければいけない。そして通常であれば、自分のいる棟の1Fにある洗濯機を利用できるのだが、台風のせいでここの洗濯機は利用不能となっているらしい。
で、夜間別の棟まで洗濯に行くのに今まで1人(と3歳児1人)でなんとも心細かったのだそうだ。
私も全く弱っちいが、いないよりはマシ。で、3人してテクテク行く。
レオパレスは、円形の広い中庭を囲って、C棟・D棟・E棟・プールなどがある。その中庭を横切って、D棟へ。先程のプールの横にある道を行く。
中庭には芝生をメインに植物が植えられ、所々に電飾が飾られている。
←お花の電飾。ラフレシアよりでかい。
他にも、レオパレスのシンボルマークや、カートゥーン風味な猫や、クリスマスという事でトナカイとサンタ、そして妙な所で門松の電飾があった。(日本でもあんまし見ないぞ。)

↑門松を電飾でってーのがマタ…。あ、それと、コレがTHE BOOM Tシャツでございます。
ちなみにここのオーナーは日本人らしい。ついでに言うと、グアムの観光施設の多くが日本人オーナー。

で、D棟に着いたものの、肝心の洗濯機が使えない!!
姉「昨日までは使えたのに〜?」
しょうがないので、また自室まで帰り、フロントに問い合わせる。すると、「C棟のを使って下さい」だそうな。
なので、また同じ道を散歩。D棟の隣にあるC棟の洗濯機に辿り着く。


↑C棟の洗濯機から後ろを振り返るとこんなカンジ。左側の壁が切れる所が出入口。薄暗くって寂しげ…。相変わらず人の気配は無い。

2台ずつ並んだ洗濯機と乾燥機。洗濯物を放り込んでいると、目の前の窓に黄白色のヤモリが3匹もへばりついているのに気付いた。
「おお〜!ゲッコーだゲッコーだー!」
ヤモリの事を、こちらではゲッコーと呼んでいる。Tシャツの柄やキーホルダーなどの土産物なんかにもなっている人気者だ。個人的には、厚ぼったくて大きい手の裏側が、シイタケの傘の裏みたいにヒダヒダになってるのが気持ち悪い。上から見ている分には特に不満は無いのだが…。
3匹のヤモリは窓ガラスの向こう側にくっついていて、灯りに引かれてやって来る小さな羽虫を食べているようだった。
わくわくしつつ捕食の瞬間を待っていたが、彼らは目の前を虫が何匹も通り過ぎているのに張り付いたままちっとも動かなかったのだった。
ひょっとしてもうお腹がいっぱいで動けなかったんだろうか?
そんならもう遅いんだから、こんな所で油売ってないで、おうち帰って寝なさい。(余計なお世話)

そして再び部屋へと戻り、しばらくの後、今度は乾燥機を動かしに。
そしてそれを回収しに…は、明日の朝に持ち越す事に。
トホホ。なかなかに不便ですわ。
道中、甥がダッコをねだるもんだから…腕が痛ぇ〜!

さて、明日の遊びの為に、本日はもう就寝ですわ。

*** つ づ く … 。 ***

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