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洞窟美術館の狂気

2006年12月、三重県松阪市飯高町にある「飯高洞窟美術館」に行って来た。
(※もう今は閉館してしまいましたのでご注意。)
しかしおい! ここが「観光三重」にも「松阪市の観光情報」にも掲載されていないとはどういうことだっっっ!!!

 つ ま り 黒 歴 史 っ て こ と か ・・・・・

いやまあ現存しているわけですが。(※繰り返しますがもう今は閉館してしまいましたのでご注意。)
まあそういう所なわけです。
しかしわたしはそういう所がだいすきなわけです。
あなた様もお好きでしょう。そうでしょうそうでしょう。
一応場所は、「香肌峡リゾート・ホテルスメール」の隣でございますよ。

さて、今回も吉田(仮)に連れてってもらったわけだが、
多気郡多気町の「中山薬草薬樹公園 & 元丈の館」で山道を散策して野良猫を発見し「ヤマネコ様〜vv」とはしゃいでみたり、無料ハーブな足湯(熱湯)につかってシッカリ汗をかいたり、元丈焼きとかおからドーナツやハーブディーなどの土産を買ったり、
松阪市大石町の「大石不動院」で見事な紅葉の絨毯と山登りを楽しんだり、
道の駅に寄ったり、
松阪市飯高町赤桶の「水屋神社」で超でかい楠に口をあけたりその他の個性的な木々にうっとりしたり、
そんなこんなで気が付けば時刻は夕方4時前。
最後の目的地「飯高洞窟美術館」は一体何時まで開館しているのか?
田舎の施設は閉まるのが早いぞ。
でもまあ5時くらいまでは、やってるんじゃないかな?
そんな感じでとりあえず行ってみることに。

到着して、入口にいたおじさんに「何時まで?」と訊ねると、「4時まで」とのこと。
過ぎてるじゃん!!
でも入口は開いてるし、中に入っている人たちがいる。
おじさんは「今団体さんが入ってったから、いいよ、入って入って」とのこと。
せっかく来たのでということで、入館料800円を支払って入ることに。
パンフレットはおろか、チケットも貰わなかった。無いのかしら。(←ここ伏線ですよ。)
「後でかならずここに寄ってね!必ずよ!」と、おじさんは事務所みたいなところを指差して言う。
なぜだ。土産物でも買わされるのか。ちょっとどきどきする。

中に入る。
そこは700m続くトンネル。(採石場跡)
その、奥までずーーーーっと続く大きな空間の両側に、亜細亜チックな品々が 超 無 造 作 に 展示されている。

触れるように置いておる美術館って、そう無いよね。
なので、その価値がよくわからない。
名ある美術品だけど設備費が足りなくてこんなになっているのか、
はたまたALLレプリカで大した事無いのか…。
時折、通路のど真ん中にもツボがドーンと置いてあるので、蹴って壊してしまわないか、ちょっとドキドキする。(←ここも伏線ですよ。)

いい!! このやっつけ感!! あやしさ!! ブキミさ!!
すきだーーー!!!!!!!!!!!

というか、普通に美術品として興味あるものが並んでいる。
カンボジア、タイ、中国など、アジアンチックな品々はどれも魅力的な風貌をしている。
 かっこいい。

妙な説明のついた仏像など、ツッコミ所満載なものもいっぱいあって、なかなか楽しい。
2人して、じーーーっくり拝見する。

それはもう、じっくりと。

入館料800円払ってるのですから。

それ相応楽しませて頂かないと。

あ、先に入って来た団体さんたちが帰って来たよ。
帰って来たってことは、この先は行き止まりなのかな〜。
そんなら無理して両端を見なくても、行きと帰りで片方ずつ見ればよかったな〜。
そんな事を考えてたら、ついに私達二人だけになったようで、トンネル内を私達のツッコミの声だけが硬質に響くようになった。



ふと振り返ると、遠くに見えるトンネルの出口でおじさんが立ってこちらの様子を窺っているのがシルエットになって見えた。
(恐らく、「早く帰って来てほしいな〜。早く閉めて帰りたいのに…」とかって思っているのだろう)と想像する私。
でも、せっかくなので、ゆっくりしたい。
気持ちでは悪いなと思いながらも、満足するまで粘る私(達)。
「私達がまだ中にいるのに気付かずに、電気を消されたりしたらどうしよう。」
と、ちと不安を感じる。
「でもおじさんさっきこっちを見てたし、最後は中の見回りとかもするだろうし、そんな事は無いだろな。」とかも考える。

ここまでまっすぐ続いていたトンネルは、最後の方で緩やかに右へとカーブしている。
何となくその先が行き止まりっぽい雰囲気。

水の滴る音… 響く読経の声(録音)… ライトに照らし出された様々な仏像たち… ああ…なんて不思議空間…

あやしい!! あやしいよ!!



そんな感じで悦に入っていたその時、
ついにそれは起こった・・・!!


バチン!
という操作音と共に、

私達の背後に長く続いていた

通路の電気が全て消える!!!!



「ウッきゃーーーーーーーーー!!!!」

何とも形容しがたい不安感。まさか考えていた不安が本当に起こるなんてッッッ!!!?
そんなバカな!!!!!!
ここで吉田(仮)が半パニック状態に。
「えっ!? えっウソっ!! 何で!? うわっ! なんでーーー!?」

ところで先に他の人がパニックになると、妙に落ち着いちゃったりしませんか?
この時の私が正にその状態だった気もスル。(元々図太いという説もアル。)
すかさず手にしたデジカメの液晶画面の明かりを床へ向けて、何とか様子が窺えるのを確認。
「大丈夫大丈夫! 見える見える! オーケーオーケー!」
わりと余裕な声を出す。
まあ真っ暗というわけでは無くて、トンネルの奥の少しのところだけは消えずに明るかったので、それほどパニックにならなかったのかもしれない。
全部が一斉に真っ暗になったら…! おおおおそろしいいい!!
それでも慌ててはいたので、思わずフラッシュも焚かずにシャッターを押して、真っ黒な写真を撮ってしまったりとかした。
…何か写ってたらこわいな…。

とにかく、出口へ行くには、この真っ暗な中を戻らねばならぬ。
さあここで先ほどの伏線が登場だ!!

・通路の両脇にはむき出しの美術品…。(あやしげな神像やら仏像やら…。)
・通路の真ん中にはデンと置かれた陶器の大壷…。


超サヴァイヴァーーーー!!!!!
この中を行けってか!! 割るぞ! 蹴って壊すぞ!!

でもまあ、吉田(仮)の携帯の液晶画面のライトも加わった事と、暗闇に目が慣れて来た事もあり、おぼろげながら通路の様子が見えるようになった。
オッケーオッケーだいじょうぶー言いながら、とおーーくに見える出口の明かりを目指して私達は進む。
何このインディージョーンズ!!
っていうより状況的にはドリフターズ!!(放浪者)ハァ〜ビバノンノ! 今にも金ダライが落ちてきそうだ!

「すみませーーーーん!! まだいるんですどーーーー!!!」
「電気つけてくださーーーーい!!」

そんな風に叫びながら私達は、暗闇の中を手を取り合って(器物破損せぬよう)恐る恐る進む。Let Us Cling Together。
その時私が考えていたのは、
「もし入口が鉄格子で閉まってて、係りの人も帰ってしまっていたらどうしよう…」
だった。
入口で動物園のサルのように鉄格子に取り付く自分を思わず想像。いかん笑える。
そうなった場合、恐らく入口を閉めているのは南京錠だから、何か細長いものでがんばれば鍵破りできるかも…とかも考える。(普通無理)
「まあ携帯電話があるし…。」
「でもここ山の中だし、トンネルだし…。通じるんだろうか…?」
そんな余計な事を考えつつ、出口へ向かって声を上げながらひたすら歩いていると、やがて入口付近になって、気付いてもらえて、トンネル内の明かりがガチャン!と点灯する。
「はああ〜〜〜〜」
不安から解放されて2人ともハイテンションに。
いやむしろずっと最初からハイテンション。

出入り口で少しだけばつが悪そうにしているおじさんいわく、「向こう側から出られるので良いと思ったんだよ」とのこと。
ええ!? あの先に出口があったの!?
そうなると、私達の慌てっぷりは超無駄で滑稽なものとなるんだけど、パンフレットとか貰ってなかったし、内部構造わからないからそれもしかたないよねと思う。
それに団体さんたち、みんなこっち側に戻って来てたじゃん…。どーゆーことだ??

ハイテンションのまま、案内された事務所へ入ると、先ほどの団体さんたちがお茶など啜っている。
そこでお茶(だし汁?)と水を飲ませてもらい、水と塩をお土産に貰って(それで「ここに寄って」と言っていたわけね!)、私達は洞窟美術館を後にした。

まあそんなわけで、帰りの車の中でもハイテンションは続き、その中で得た教訓は、

・どこにいても避難路がわかるようにしよう。
・室内施設で遊ぶ際は、常に停電に備えてミニライトを持参しよう。
←最近は携帯電話とかスマホとかが代わりになるな。
・田舎の観光施設はなるべく早い時間に行こう。
・非常食用の飴とか持参しよう。


だったように思う。
できればこれらの備えが以後活かされる事が無いようにと願う。(ていうか、気がつけば全然実践していない…(^^;)>教訓意味無し。)

そして私は、その話を周囲の人に自慢しまくったのだった。(自慢かよ!)
皆様も、洞窟やトンネルに入る際には、電気を消されぬよう、十分ご注意くださいませ…。(どうやって…)

 「またね〜!」

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