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京都御苑きのこ会に参加してきた(2014年7月20日)

前々から参加したいなーと思っていた京都御苑きのこ会の観察会に、7月に参加させて頂いてきました!
月1会行われているこのイベント、予約不要で無料という、すごい気軽さがありがたい〜。でも専門家の人もいて本格的!かなり歴史があるみたい。

今回の「見えたらいいな」は3つ。
●粘菌(変形菌てのが正しい?)…ちゃんと見た事無かったので。
●冬虫夏草…実物を見た事無いので、見付け方とか知りたいな、と。
●カエンタケ…超危険な猛毒キノコ。触るのすらダメという!去年京都御苑で見つかったらしい。
結果、上2つを見る事ができましたよ!ヽ(´▽`)/

では当日の様子をダイジェストで〜。

出発時間を間違えて、30分ほど早く家を出てしまい、「どこかで時間を潰さなきゃ〜」と思ってたら、京都御苑の駐車場に車を停めてから集合場所まで、きのこ探しながらダラダラ歩いてたら20分くらいかかった(^^;)
京都御苑広ッ!

集合場所には既に沢山の人が集まっていた。
ノートに名前を書く。そのテーブルの上に、瓶に入った奇妙なキノコが置いてある。
あれは…「カゴタケ(籠茸)」だッ!
うっかり写真を撮り忘れたので、画像検索結果で見てくだされ!←どうですこの奇妙なキノコ!!
私がこれを知ったのは、集めてた外国のキノコ切手にあったからだったと思う。
「え…これもキノコ…?」って思った。
今回見せて貰ったのは、残念ながら標本になったもの。京都御苑で見つかったんですって。いつかは実物を見てみたい〜。

そうそう、京都御苑って、都会のど真ん中の孤島のような感じなのに、キノコの種類とか多い。山とかと繋がってるわけじゃないのに。
その原因(?)の1つとして、敷地に植える芝生を日本各地でその都度購入している事もあるかもなんですって。ナルホドね〜。

スタートを待つ間、誰かが傍らに望遠鏡を立ててくれてあり、それはどこか木の上の方に向けられていて、みんなも望遠鏡を覗き込んだり、その方向を見たりしている。
その瞳が見つめる先には…。

アオバズク(青葉木菟)!
すっごくわかりにくい所にいた(笑)最初の人、よく見つけたな!!距離が遠い上に、微動だにしないのに!!
アオバズク、京都御苑に住んでて、巣とか作ってるって情報は聞いてたんだけど、今まで1度も見た事が無かった。
いやこれ絶対私じゃ無理だわ〜。なんで見つけられるんだろう(笑)不思議。
顔があっち向いてるのが残念〜。夜行性で日中は寝てるとかだろうか?でも目は開いてるしなー。目を開けながら寝てるんだろうか(笑)もしくはこっちが騒がしいので、横目で様子を窺ってる?(笑)
それにしても大きな目だわ!さすがフクロウの仲間でございますな!かわいい!

さて、きのこ観察会に戻って。
一通り、近年の活動などについての説明を聞いて(専門家な人が何人もいて心強い限り)、80名以上がぞろぞろ〜っと歩き出す。いざ観察スタート。これがもし、「キノコをたくさん取った人が勝ち!」みたいなゲームだったら、あちこちに散らばって走って行くところだけど(笑)
スタート地点付近には、キノコは見つからなくて、1つ隣のブロックに行ったとたん、いくつか見つかる。

フクロツルタケの子供(幼菌)…だったかな? かわいすぎる!!頭をなでくりまわしたい! 高さ5cmくらいだったかな?


カワリハツ…かなあ…(メモ能力低いorz) だとしたら、傘の色がすごく色々あるらしい。


これも名前がわからなく…(^^;) ツルタケに似てるけど色が薄いよな〜。高さ8cmくらいか。

自分で歩いてきのこを探すよりも、大勢の目であちこち隈なく探せて、しかも専門家や詳しい人が何人もいるのでわからない事はすぐ教えて貰えるし、効率の良さが凄い(笑)すごく勉強になった。
次々見つかるいろんなきのこに、進行も遅れがち(笑)
そうそう、きのこの発生数が多いのは秋なんだけど、いろんな種類が楽しめるのは6〜7月なんだそうな。ここテストに出ますぞ!(何)


◆粘菌

さてではそろそろ粘菌をご紹介致します。見た目が地味でごめんだけど(^^;)>
今回は
・キフシススホコリ
・ムラサキホコリ
・モジホコリ
3種類見つかって、私が見たのは上の2つ。2つとも、スタート地点付近の同じ切り株にいた。この切り株モテ期だな!

ススホコリさんと、

 ↓近影


こちらがムラサキホコリさん。


残るモジホコリさんは、私は気付きませんでした。残念。

粘菌は、「こいつ…動くぞ!」って感じに、じわじわ餌を求めて移動する。おもろ。でも1時間に数cmくらいらしいので、ビデオに撮って早回しにしないと実感するのはちょっとつらい感じ。「今日は動かないでおこうかな」ってな日もあるかもしれないし。

粘菌は子実体(子嚢体?粘菌の花というか実というかキノコというか)が面白かったり美しかったりするんだけど、子実体を作るのは命と引き換えなんですって。栄養が十分な時はそのままの姿で暮らしていて、飢えとかで命の危機を感じた時に子実体を作って次世代に希望をかけるんだったはず…。ちょっとこのへん記憶が曖昧だけど(^^;)
そう考えるとその美しさがなんだか悲しい。見たいような、見たくないような。図書館で写真集借りて見たけど、ほんとに不思議で綺麗よ〜!オススメ!
たしかこの本だったと思う→「粘菌―驚くべき生命力の謎(Amazonリンク)

前に綺麗な動画も見た事があるんだけど、検索しても見つけられなかった。残念〜。

今回しっかり見る事ができたから、今度から「あ!粘菌だ!」って気付くようになる…かしら?(^^;)やや不安


◆冬虫夏草

そして冬虫夏草。こちらは今回
・コナサナギタケ
・ハナアブラゼミタケ
の2種類見つかった。
と言っても、全部、自力ではまず見つけられないささやかさ(笑)とにかく土から出ているキノコの部分が小さくて…。


これは蛾のサナギから生える「コナサナギタケ」。(ボケたので画像小さめ…)
この白い塊の全体の横幅が1cmぐらいなんですぜ…!
…次自分で探せる自信は、全く無いわー(^^;)

こちらはセミから生えてるハナアブラゼミタケ。

油蝉専門に寄生致します。ややグロでごめんねー!私的には芸術的な感じがしていい感じだと思う。将来を断たれた油蝉には悪いが…。
セミから伸びた先っぽに付いてる白い部分が、おそらく地面から顔を出してる部分だと思うので、その小ささを手のサイズとかと比べて実感してくだされ。
これを…見つけろというのか…!
まあ「だいたいこのへんに生える」ってなコツみたいなものがあるんでしょうが〜。


ちなみにこちらは(たぶん)菌類(カビ?)に侵されたきのこ。当たり前だけど、時にはきのこも寄生されちゃうんですよね。自然界は厳しい!

冬虫夏草と言えば、サルノコシカケ、霊芝(マンネンタケ)なんかと並んで、薬効あらたか(&高値で取引)なイメージがあるけど、ほんとに効果あるんだろうか。
健康食品やバイオテクノロジー的なものも、キノコを扱ってるのが多いように思う。
まだまだ謎多きキノコ。放射性物質を収集したりとか、なんかほんと不思議な存在。←これって、ナウシカの腐海を思い出す。キノコは汚染された世界の浄化に一役買ったりするのかしら。

↑たぶんマンネンタケ(霊芝)。若いので色ツヤよろし。


こちらは「コフキサルノコシカケ」。漢字で書くと「粉噴き猿の腰掛」かな?まさに!(笑)
写真だとわかりづらいけど、木の幹に大きくて硬いキノコが生えてて、それとその周辺が茶色い粉まみれになっているという…。ココアパウダーふりかけたみたいだな!
この写真の横幅で40cmくらいだったかな?このきのこは何年もかけてどんどん大きくなっていくのだとか。
たぶん胞子は下から出るんだけど、上昇気流とかに乗って上まで舞い上がって、自分も粉まみれになるのだとか(笑)いいのかいそれで(笑)
というか、下になった面が真っ白なのが凄くミステリー。そこから胞子が出るんじゃないのか?なのになんでそんなに真っ白なの?

こんな感じで、マンネンタケもサルノコシカケ(っぽいもの)も、あちこちでよく見かけるが、「そんなに薬効のあるものなら、どうしてこれは誰も採取しないのだろう?」って、よく思ってた。種類が違うのか、養殖されたもののほうが高品質とかの理由からか。とか。

そうそう、キノコというか菌類がいなかった大昔は、植物が枯れても分解する者がいなくて、それがそのまま地中に沈んで石炭や石油になったりしたんですって。なので、現代で新たに自然に石炭や石油ができる事は無いのだとか。なるほど!


◆ベストビューティフル賞

今回一番綺麗だなって思ったキノコはコチラ!

なんか表面がキラキラしてんのよ!ざらめがまぶしてあるみたいな、げんこつ飴のような!
傘の直径が3cmくらいの小さいきのこだったけど、綺麗だった〜。(*´▽`*)
キララタケっていうステキな名前のきのこがあり、イメージ的にそれかしら?と思ったけど、調べてみたら全然違った。キララタケは群生するみたいだし、傘の形も全然違う。(キララタケはヒトヨタケの仲間)
これなんてキノコなのかしら〜。
触ってみたらどうだっただろうか。ねばーっと糸引いたりして(笑)


◆ベストインパクト賞

一番インパクトを感じたのは、このヒトヨタケ類。

結構大きいのがすっごいびっしりかたまって生えてて、迫力満点!!
色も白くて、落ち葉の色と好対照!
幼菌もまるっとしてて可愛いし、大きくなったやつも傘の開き具合が慎ましやかで、すごく個性的。

撮影会風景(笑) キノコ撮る時はバリアングル液晶が大活躍よ〜!←私がカメラを購入する際の第一条件でございますv 迫力あるローアングルも楽々♪キノコのサイズによっちゃー裏側のヒダも撮れるわよv

ヒトヨタケは、名前のごとく、1日〜2日で傘が真っ黒にドロドロに溶けて無くなってしまう。(そのドロドロに胞子を入れて流す。)で、英語の名前がインク・キャップス(インクの傘)。
この雄姿に出会えたのはラッキーなこと。
とは言っても、他の所で残骸をいくつか見かけたので、今の時期はあちこちで次々出ては消えているのかも。
ヒトヨタケの残骸を見付けるとみんな、「昨日だったら綺麗だっただろうにね〜」って残念がってた(笑)

↑たしかこれもそうだったはず。へろへろですな!
中央の白い縁取りのやつは、別のやつだが、名前は失念…orz あ、これもコフキサルノコシカケの子供かな?凄いくっきり2色使い。かわいい。触ってみたら、若干にゅるっとして意外だった。

ヒトヨタケ、私も名前は知ってたんだけど、実際に「これがヒトヨタケですよ」と見たのは、初めて。
まあこれはズバリのヒトヨタケじゃなくて、ヒトヨタケの仲間なんだけど、でもなんとなく類の特徴を掴んだぞ!見分けられるようになったかも。


更にヒトヨタケっぽいキノコ。この端がくるんとめくれあがってる様が、昔のヨーロッパの男性のカツラみたいなので、「弁護士のカツラ」ってな呼び名も。よく音楽室に貼ってある肖像画の人がかぶってるやつよね?あれ?それって外巻きだったっけ?ま、まあいいか(^^;)

私がヒトヨタケの名前を知ったのは、私の好きなアールヌーボーのガラス工芸家、エミール・ガレの代表作「ヒトヨタケのランプ」から。
軸のねじれた姿とか、既に縁が黒くなりかけている姿とか、自然で美しい。元々きのこってランプの形してるしね〜。
長野県諏訪市の北澤美術館で実物を見る事ができたんだけど(3つあるのうちの1つ)、意外なでかさにびっくりした(笑)30cmくらいかと思ってたら、70cm以上はあった(笑)
ガレはきっと、キノコの正体不明な不思議さに神秘を感じ、ヒトヨタケのあの世とこの世の境に生えるような儚さを愛したのだと思う。
だから私はガレの作品が好き。


◆ベストきのこの鏡賞


いかにもきのこっ!て感じのお姿。大小揃ってる所も、木の根元に生えてる所も文句無し!一番大きいやつの傘の直径が10cmくらいあったと思う。
ヤナギマツタケ…だったかな…。←またか!
いや〜、ついつい写真を撮るのに夢中で、名前メモするの忘れるのよ〜(^^;)>


◆ベストへんてこ賞

ベストへんてこ賞は、サンコタケ〜。

図鑑とかで存在は知っていたんだけど、想像してたよりずっと小さかった。10cmくらいあるかと思ったら、3cmくらいしか無かった。
「サンコ」ってのは「三鈷」という密教で使う仏具に姿が似てるところから。今検索してみたら、アラほんと似てるわ〜。なんかありがたい気分(笑)
でも開く前の閉じ姿は、サイズ的にも、色的にもまるでサワガニの爪が落ちてるみたいだった(笑)

誰だここでサワガニ食べちらかしたのは!イタチか?!的な(笑)
これの仲間で、その名もずばり「カニノツメ」ってのもある。そっちの方が2本仕立てでより蟹爪っぽい。
「キノコの絵描いて」って言われて、これ描いたら嫌な顔される事うけあいな、一般的なキノコのイメージとはかけ離れたお姿。
いや〜きのこも色々!面白い〜。

真っ白な卵から生まれてくるのもまた可愛い(*´▽`*)
直径1cmくらい。

でも大人になったら腐ったような悪臭を放つので、触らない方が無難!手にねばっとした臭い汁が付くぞ!
その臭いでハエをおびきよせて、ねばねばをハエにくっつけて、胞子拡散に一役買ってもらうのだとか。

サンコタケと同じ場所で、こんなふうに三つ又に別れていない袋状のものを見つけた。

サンコタケの奇形かな?という感じだった。同じ色合いと同じ臭さだったので(笑)
最初「これなんだ?」とつまみ上げ、結構後悔した(^^;) 手がくっさー!(笑)
慌てて葉っぱを拾ってそれで摘んだが、ザ・アフター・フェスティバル。
次見つけたトイレで手を洗いましたともよ!


◆その他の皆さん


管口丸見えふとましいイグチさん。岩の間からニョッキリ。


こちらもイグチの仲間。コッペパンみたいなどっしりとした感じ。あーおなかがすいてくる(笑)


赤い色付きがとてもかわいいベニタケさん。こんなふうに切り込みを入れた鏡を下に差し込んで、ヒダまで観察できるようにしてくれた。ヒダに特徴があるのもあるし、これならきのこを抜いてしまわなくていいから、いい感じ!


これは駐車場へ帰る時に見つけたんだけど、超かわいい〜〜〜!これもベニタケさんなのかしら…?高さ5cmくらい。これはまだ幼菌で、大きくなると色が薄くなったりするんだろうか。ああそれにしてもかわいいかわいい。

 
たしかオニイグチモドキ。黒いうろこのようなトゲのようなやつが鬼っぽいから?とにかくワイルド!


帰りがけに見つけたこれもそうだと思うんだけど、モノトーンがよりはっきりしててステキ!
はりきって↓アップ!

なんとも不思議な模様になってるわ〜。ホイップクリームにココアパウダーがけというか(笑) あー食べたくなってきた!!


マツカサタケ。地中に埋まった松ぼっくりに生えるんですって。こんなに小さくて地味なのに、よく見つけたな〜!たしか見つけたのは子供じゃなかったかな?子供目線活躍!
産毛みたいなのが生えててなかなか可愛い。
で、このマツカサタケ、真夏は生えないとされていたのが、今回初めて7月半ばに見つかったらしい。新発見凄い!


こちらはアズマタケ。なんだかぐにゃぐにゃした外見だけど、触るとわりと固くて、表面が極毛足の短いビロードみたいになってて面白い。結構綺麗な黄色だった。直径10cmくらいかな。


このキノコは、ヒナアンズタケだったはず。高さ4cmくらい。
アンズタケって、なんだか美味しそうな名前だけど、実際外国では美味しく頂かれている種類らしい。外国のキノコの切手にもよく登場してる。日本じゃまず食べないのにね〜。不思議だな〜。※でも最近毒成分がある事が判明したとか…。←こういうの多いので、キノコは栽培された身元がしっかりしているものを食べるのが無難ですね〜。
このきのこ、杏の匂いがするらしいけど…嗅いだっけな?小さすぎて、鼻を近づけたら土の臭いの方がきつそう(笑)でもちぎるのはかわいそうだしな〜。
明るい山吹色がステキなきのこさん。

他にも、傷つけられると黄色いキノコが青くなっちゃう「イロガワリ(色変わり)」とか、傷つけられると白い液体を出す「チチタケ(乳茸)」、脳みたいなしわしわの姿で胞子撒き散らす「ノウタケ(脳茸?)」などなど、52種のきのこが見つかりました。全部は見れなかったけど〜。
最後に、今日見えたキノコの名前のおさらいがあったんだけど、見れて無いのが結構あった(笑)写真を撮るのに夢中になっているからだな!(笑)
ハナオチバタケがあったのに見れなかったのが残念〜。ピンクで可愛いきのこなのよ〜。

目的の1つだったカエンタケについては、残念ながら見る事ができなかった。今回結構な団体だったので、移動に時間がかかり、そのエリアまで行けなかったのと(京都御苑の3分の1くらいのエリアを周ったそうな)、京都御苑のカエンタケ自体、去年新たに見つかったばかり(しかも残骸)だったと思うので、今年も発生するかどうか?とにかく、この時点ではまだ発生していなかったそうな。
伏見稲荷の千本鳥居の近くに生えてると聞いて見に行ったら、なんかことごとく掘り返されて整地(?)されてたし…。なかなかご縁がございません!
時々ツイッター検索で「カエンタケ」で探してみるんだけど(笑)
まあそのうち見える事もあるでしょ〜。

とりあえず、この10月25日&26日に、京都府立植物園で、なんか日本のきのこが一同に集まる展覧会があるとか聞いたので、ちょっと予定に入れてたりします。(上の公式HPのイベント情報にまだ載っていないが、間違って無いだろうか(^^;))

以上、きのこ観察レポートでございました!面白かった!

キノコ写真を集めたコーナー「きのこだョ!全員集合」もご一緒にドウゾ〜!

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